たばこは危険!


喫煙は口腔に悪影響 危険性の認識を


喫煙がもたらす有害性は数多いが、一般にあまり認識されていないのが
歯や口の中(口腔、こうくう)に与える影響。健康な人の歯は光沢があり、歯茎は引き締まったピンク色をしている。それに対して、長期間の喫煙者の歯や歯茎は黄色や黒く色素沈着を起こす。これはメラニンを作る細胞をたばこの煙が刺激するからである。

 たばこの煙には銘柄にかかわらず、
ニコチンやタールなど4000種類ほどの化学物質を含み、そのうち約200種類が発がん物質、発がん促進物質といわれる。口内の皮膚はこれらを吸収しやすく、口腔がん患者の8割、咽頭(いんとう)がんは9割が喫煙者。口腔底がんで5月に亡くなった二子山親方(元大関貴ノ花)も愛煙家で知られる。

 口腔がんの初期は
痛みがないことが多く、気付いた時は進行しているケースもある。ひどくなると、あごの骨を切除しなければならないこともある。喫煙者の発がん率が高いのは明らかだが、認識は薄い。

 国内外の研究で、たばこの口腔に対するさまざまな影響が分かっている。
 

 さまざまな影響が総合して、感染に対する生体防御機能や組織の抵抗力、傷を自ら治す能力が低下し、歯周病やがんなどを進行させる。

 身近な疾患である歯周病は、歯周靭帯(じんたい)や歯肉、歯槽骨など、
歯を支える組織が壊れる病気の総称で、歯垢(しこう)の中の細菌が原因。通常は細菌を殺す過酸化水素や破壊性の酵素が白血球から放出され、健康な組織が破壊される前に非活性化酵素によって中和される。しかし、たばこの煙は非活性化酵素の働きを抑えるため、健康な組織が破壊されるという。

 喫煙が過剰な防衛反応を起こして
歯茎の腫れや痛み、口臭を引き起こす。歯茎も下がる。表面はきれいに見えても歯を支える骨が溶けると歯がぐらついてくる。そうなると痛みが出るが、通常は気づかず徐々に進行する。

たばこの口腔に対する
さまざまな影響

(1)たばこを吸うと、歯茎の毛細血管が収縮し血行が悪くなり、低酸素状態になって細胞が傷つきやすくなる。また組織の栄養失調状態をつくる。
(2)ニコチンは好中球の機能を低下させるため、歯周病菌などの細菌の侵入に対し、抵抗力が落ちる。
(3)たばこの煙に含まれる一酸化炭素が血液のヘモグロビンと結びついて、歯周組織の活性化を妨げる。
(4)たばこを1本吸うと、ビタミンCが25ミリグラム破壊される。ビタミンCは歯茎の抵抗力を高める物質なので影響が大きい。
(5)ニコチンは唾液の分泌を抑えるため、歯垢や歯石がつきやすくなる。
(6)たばこは口内の浄化機能を低下させ、粘膜にタールやメラニン色素をためる。
(7)歯周病の回復に必要な組織再生細胞の働きや発生を妨げる。

 喫煙患者の中には、診察室中に充満するほどの口臭の人もいたという。一方で、禁煙後に歯茎の色素沈着が抜けたり、下がった歯茎が元に戻った患者もいる。きれいに歯磨きするだけではダメ。喫煙をやめないと意味はない

 
未成年の喫煙と受動喫煙。患者の中には、母親と高校生の長男が喫煙するため、喫煙しない中学生の二男までも歯ぐきに色素沈着を起こしていた家庭もあったという。喫煙経験は小学生は3割中学生5割高校生7割といわれ、子どもたちを対象に禁煙治療を専門に行う医療機関も登場している。

 
喫煙は百害あって一利なし。興味本位や格好良さで喫煙に走らせる雰囲気のある社会環境も問題があると思う。”喫煙予備軍”である子供たちには、特に有害性をきちんと認識させる教育が必要だ。







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